ここからが通信用電線のミソとなる「より合わせ」という工程です。より合わせとは、複数の電線を束ね合わせること。街と街を結ぶ電話回線は、1対(2本)の電線を2組束ねた計4本の電線で構成されているのはご存知ですか?この1束をカッドと呼び、1カッドで2回線分の通信が可能となるのです。
まずは、この4本の電線をより合わせる「カッドより」。青・黄・赤・緑・紫の5色の電線を軸の1本とし、そこに白・茶・黒の3本を巻きつけていきます。
そして次は「ユニットより」。先ほど4本でカッドよりされた電線を、さらに5本より合わせます。これで計20本、10回線分。さらにそれを20本より合わせていき・・・ついに計400本、200回線分の電線に!これは市内・市外ケーブルという種類の通信用電線で、防災的メリットに優れているのが特徴。銅線から電力を送れるのでコンセントなしで電話が使えたり、事故が起きても簡単に修復することができます。通信用電線には他にも光ファイバケーブルという種類もあり、場所や用途に応じて使い分けがされています。
屋外で使用される電線は日々、太陽の光や紫外線、雨にさらされます。ただ、もし厳しい環境での使用や事故で断線すると街中が大混乱に!そこで、最後に被せるのが「シース」です。シースとは、電線を保護するための金属やプラスチック製のカバーのこと。屋外で使用しても劣化しにくいように、特殊な材料を混ぜて電線を守っています。日々の暮らしに欠かせない電話やインターネットを担うからこそ、通信用電線は安全かつ丈夫であることが不可欠なんですね。