電線の被覆(ひふく)には「絶縁体」と「シース」という層があります。
たとえば海苔巻きの具が導体だとすると、
絶縁体はごはんのように導体の周りを包んでいて、
シースはごはんと具を包む海苔のようなイメージです。
人やものを感電させないために導体を包む「絶縁体」は
プラスチックで出来たものが一般的ですが、
使われる場所によってほかの素材が選ばれることもあります。
じっさいに港で貨物船から荷物を積み下ろすために使う
クレーン用の電線にはたわみや曲げに強いゴム素材が使われ、
100度以上の熱や燃えにくさが求められる航空機には
フッ素樹脂が使われています。
電線の表面には、絶縁体を守るための「シース」※という層があります。
シースはプラスチックや金属で出来ていて、
もし電線にものが当たったり油や酸などがついても
絶縁体や導体が傷つかないように保護するという役割があります。
とくに海底ケーブルのシースは、船の錨や大きな海の生き物などから
電線を守るため鉄線で作られたとても丈夫なものもあります。
※シース(Sheath)とは:刀剣のさや、 覆いなどが本来の意味ですが、
電線業界では電線・ケーブルを保護するカバーとしての意味合いで使われます。